Tuesday, September 7, 2010

アメリカにおける高速鉄道計画

オバマ政権の目玉のひとつに、"High-Speed Intercity Passenger Rail Program"(HSIPR)と呼ばれる高速鉄道計画があります。

80億ドル(約7,200億円)もの初期投資をし、時速240kmから350kmくらいの高速鉄道で各主要都市間を結ぼうというものです。


ご存知のように、アメリカ都市間の主な移動手段は圧倒的に航空機か車ですが、実は鉄道が敷設されているところも少なくはありません。

しかし、例えば同じ西海岸でもSan FranciscoとLos Angelesの間は600km以上離れており、鉄道だと最速でも8時間以上かかるし、かつ現在の路線では乗り継ぎも必要です。

やはり、どうしても1時間程度で行ける飛行機のほうが便利ですし、家族や友人で移動する場合は6時間くらい車を運転したほうが安上がりでもあります。


このように、飛行機で行くには近いし、現在の鉄道で行くには時間がかかりすぎる主要都市間を選んで、高速鉄道化を目指します。


現在、唯一首都Washington DCからPhiladelphia、New Yorkを経由してBostonまでの間だけが、Acela Expressと呼ばれる最高速度240kmの高速鉄道で結ばれています。

7月末に東海岸に行った際、Washington DCからNew Yorkまでの移動では、このAcela Expressを利用しましたが、それぞれの駅が街の中心部にとても近いので駅までのアクセスも楽ですし、車内ではWiFiも無料で利用でき、とても快適でした。





HSIPR計画が実現すると、San FranciscoからLos Angelesまでは約2時間40分で行けるそうです。


Secretary of Transportation(運輸大臣)は、今年の5月に日本や中国を訪問し、新幹線などを視察してきたそうです。


日本の新幹線をそのまま持ってきて走らせる予定はないらしいですが、ぜひともアメリカと日本でPartnershipを組み、新幹線の最先端のテクノロジーを取り入れた新型車両の設計や生産を期待したいです。

最後に、このHSIPR計画の大きなメリットとして、環境問題を考慮していること、および、新規雇用をうみだすこと、があるのは言うまでもありません。

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